
温浴施設における⽔⾵呂の消毒・ろ過設備はなぜ重要なのか
近年、サウナブームを背景に⼩規模な温浴施設が増加しています。それに伴い、⽔⾵呂の設置基準に関する理解不⾜が問題視されています。保健所は⽔⾵呂にも適切な消毒・ろ過設備の設置を義務付けていますが、その事実を知らない事業者も少なくありません。
⽔⾵呂における消毒・ろ過の重要性
⽔⾵呂は多数の利⽤者が共有するため、⼈体から⽪脂や汗、髪の⽑などが持ち込まれ、雑菌が繁殖しやすい環境にあります。レジオネラ菌などの危険な病原菌の温床となる可能性もあり、適切な⽔質管理は利⽤者の健康を守る上で⾮常に重要です。
消毒設備の事例
⽔⾵呂の消毒には、主に以下の様な⽅法が挙げられます。
塩素系消毒: 次亜塩素酸ナトリウムなどの塩素系薬剤を使⽤する最も⼀般的な⽅法です。低コストで高い消毒効果が期待できますが、独特の臭いが残る点がデメリットです。
紫外線消毒: 紫外線を照射することで細菌やウイルスの DNAを破壊し、殺菌効果を発揮します。薬剤を使⽤しないため、臭いの⼼配がありません。
オゾン消毒: オゾンは強い酸化作⽤を持つため、短時間で効果的に殺菌できます。残留性も低く、環境負荷が⼩さい点もメリットですが、オゾンは有毒なため、適切な管理が必要です。
ろ過設備の事例
ろ過設備は、⽔中のゴミや髪の⽑、⼈体から出る汚れなどを除去する役割を担います。
砂ろ過: 砂の層を通して⽔を流し、ゴミなどを物理的に除去する⽅法です。⽐較的安価で導⼊しやすい点がメリットですが、定期的に逆洗をしてゴミを排出する必要があります。厚生労働省の基準でもろ過器は逆洗できることが条件になっているため、ろ過器は実質砂ろ過装置が必要です。手動で逆洗を行うタイプと電動弁などを取り付け、自動で逆洗するタイプがあります。
ヘアキャッチャ: 砂ろ過装置の手前に取り付けて、髪の毛などをろ過器内に入らないようにする簡易ろ過装置です。一般的に簡単に開閉でき、掃除ができるようになっています。こちらもろ過をする場合は取り付けることを義務付けられています。
紫外線殺菌でも塩素を⼊れることが義務付けられている
⽔⾵呂における紫外線殺菌と塩素消毒の併⽤について 近年、⽔⾵呂の殺菌⽅法として、残留塩素の少ない紫外線殺菌装置への注⽬が⾼まっています。しかし、国の指導では、紫外線殺菌装置を導⼊しても塩素消毒を併⽤することが義務付けられています。(例外を除く)
⽔⾵呂の殺菌における紫外線と塩素それぞれのメリット・デメリットを踏まえ、両者を併⽤する理由について詳しく解説します。
紫外線殺菌と塩素消毒の特長
紫外線殺菌 | 塩素消毒 | |
メリット | ・残留物がなく水質や臭いに影響を与えない ・薬剤補充が不要でランニングコストが低い |
・安価で導入しやすい ・殺菌効果が高い ・持続的な殺菌効果が期待できる |
デメリット | ・設備導入コストが高い ・濁りや汚れに弱く殺菌効果が低下する ・持続的な殺菌効果が期待できない |
・残留塩素による特有の臭い ・水質への影響 ・濃度管理が必要 |
なぜ併用が求められるのか?
上記のように、紫外線殺菌と塩素消毒はそれぞれにメリットとデメリットがあります。紫外線殺菌は、⽔質や臭いに影響を与えない優れた殺菌⽅法ですが、 持続的な殺菌効果が低い という弱点があります。⽔中に残留した細菌は、紫外線が照射されない場所で再び増殖する可能性があります。 ⼀⽅、塩素消毒は、持続的な殺菌効果が期待できるため、紫外線殺菌の弱点を補完する役割を果たします。 ⽔中に⼀定濃度の塩素を保持することで、紫外線が届かない場所でも殺菌効果を持続させることが可能です。
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▼ 砂ろ過フィルター
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特長・米国プール協会の共通ろ過基準に基づき設計されている・FRPを使用し内部部品も樹脂を使用、耐食性に優れる ・ハンドルを回すだけで逆洗が可能 ・6方弁は流速圧力損失の低い効率的設計 |