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【図解】pH電極の洗浄方法|汚れの種類別に正しい手順を解説 水処理

pH計の指示値がおかしい、校正結果が合わない——そういったトラブルの多くは、電極表面の汚れが原因です。ガラス電極は適切に洗浄すれば性能を回復できますが、汚れの種類に合わない方法で洗浄すると電極を傷めてしまいます。

電極が汚れるとどうなるか

ガラス電極の表面に汚れが蓄積すると、以下のような症状が現れます。

✅指示値がふらつく・安定しない
✅校正がうまくいかない(スロープ異常・校正結果不良)
✅測定値に誤差が出る・応答が遅くなる

電極の劣化と汚れは症状が非常に似ているため、まず洗浄を試みてから劣化かどうかを判断しましょう。


洗浄前の準備

測定中に電極を外すと出力値が急変するため、ホールド機能があれば作業前に必ず使用してください。
※pH電極の先端は薄いガラス膜で出来ている為、最新の注意が必要です。
※電極洗浄には純水を用いますが、代用品として水道水を使っても問題ありません。

⚠️希塩酸使用時
保護メガネ・耐酸性手袋・保護衣を着用し、換気の良い環境で作業してください。塩酸が目・口・皮膚に付着した場合はすぐに大量の水で洗い流し、異常があれば医師の診断を受けてください。

汚れの種類別 洗浄方法

まず汚れの原因を特定してから、対応する方法で洗浄しましょう。

① 石灰質スケール・重金属の汚れ

硬水や冷却水、めっき排水などで発生。白っぽい固着物(炭酸カルシウムや重金属の酸化物)が付着し、純水では落ちません。

洗浄方法:2〜3%の希塩酸に30秒程度浸漬して溶解させ、純水で十分に洗い流す。


⚠️ 長時間浸漬はガラス膜を傷め、電極の寿命を縮めます。
⚠️ 洗浄直後は指示値が一時的に不安定になります。純水ですすいだ後、数分間標準液または純水に浸けて安定させてから校正してください。

 

② 懸濁物・粘着物・微生物の汚れ

廃水処理や食品排水などで発生。スライム状・泥状の付着物やバイオフィルムが該当します。

洗浄方法:濡らした柔らかい布で軽くふき取り、落ちなければアルカリ性洗剤に浸す。ガラス膜を強くこすると傷がつくため、力を入れないことが重要です。洗剤使用後は純水で十分にすすいでください。


③ 油性物質の汚れ

機械油や食品系の油脂などで発生。ガラス膜に油膜が張り、純水だけでは落ちません。

洗浄方法:中性洗剤またはアルコール等の有機溶剤を含ませた柔らかい布で軽くふき取る。


  • ⚠️ 有機溶剤はガラス膜先端のみに使用可。電極ボディやケーブルのプラスチック・ゴム部分に触れると劣化するため、使用範囲を限定してください。

洗浄後に必ず行うこと

どの洗浄方法を使った場合も、以下の手順を必ず実施してください。

✅純水で十分に洗い流す
✅純水または標準液に数分間浸漬して電極を安定させる
✅標準液校正を実施して洗浄効果を確認する

安定を待たずに校正すると正確な結果が得られません。特に塩酸使用時は十分な時間を取ってください。


洗浄しても改善しない場合

スロープが正常範囲に戻らなければ、電極の劣化が原因です。劣化は洗浄では回復しないため交換を検討してください。過去の校正記録を確認しておくと交換タイミングの判断がしやすくなります。

洗浄頻度の目安

標準液校正は週1回が一般的な目安です。廃水処理など汚れやすい環境では、より短い周期を検討してください。

まとめ

汚れの種類を正しく見極め、適切な方法で洗浄することが電極を長持ちさせる第一歩です。どの方法でも、純水洗浄→安定待ち→標準液校正の流れで行ってください。

汚れの種類 主な洗浄方法 主な注意点
石灰質スケール・重金属 2〜3%希塩酸に30秒浸漬 長時間浸漬NG・洗浄後は指示が一時変動
懸濁物・粘着物・微生物 柔らかい布でふき取り+アルカリ性洗剤 ガラス膜を強くこすらない
油性物質 中性洗剤または有機溶剤でふき取り プラスチック部への有機溶剤使用NG

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