ダイヤフラムポンプとは?購入前に知りたい仕組み・特徴・選び方 水処理

目次
- 1.ダイヤフラムポンプとは?仕組み・動作原理
- 2.メリット・デメリット
- 3.駆動方式による3つのタイプ
- 4.選定で確認すべき7つのポイント
- 5.主な用途・導入事例
- 6.まとめ
1. ダイヤフラムポンプとは?仕組み・動作原理
「ダイヤフラム」と呼ばれるゴムや樹脂製の柔らかい膜(隔膜)を伸び縮みさせて、液体を吸い込み・吐き出しするポンプです。人間が呼吸するときに横隔膜が動いて空気を出し入れするのと同じイメージです。
動作の仕組みは、ダイヤフラム(膜)とその上下の吸込弁・吐出弁がポイントです。
吸い込み
膜が引かれてポンプ室が広がり、圧力が下がって吸込弁が開き、液体を吸い込む
吐き出し
膜が押し出されてポンプ室が狭まり、圧力が上がって吐出弁が開き、液体を押し出す

この往復を繰り返して連続送液します。
2. ダイヤフラムポンプのメリット・デメリット
メリット
自吸性が高い
呼び水なしで低い位置のタンクからでも吸い上げ可能(カタログの「自吸高さ」が高いほど優秀)
空運転に強い
液切れしても壊れにくい
※液体で冷やす軸受けやシールがないため、摩擦熱で壊れることが起きにくい構造
材質選択の幅が広い
シールレス構造のため自由度が高く、腐食性の高い薬液にも対応しやすい
防爆エリアでも使いやすい
特にエア駆動式が有効
シールレス構造で漏洩リスクが低い
遠心ポンプは軸を封止する「メカニカルシール」が摩耗・劣化で漏れる可能性がありますが、ダイヤフラムポンプは膜自体が壁になるため軸封部からの漏れが起きません
📝 補足
ダイヤフラムポンプが薬品に強いのは主に「シールレス構造による漏洩リスクの低さ」が理由です。薬液そのものへの耐食性は、回転体の有無とは関係なく接液部の材質選びで決まります。この2つを分けて考えると選定がスムーズです。
デメリット
- 脈動が発生しやすい:配管の振動と破損対策にダンパー、アキュームレータが必要
- 高粘度流体は吐出量が安定しにくい:弁の開閉応答が遅れ、狙った流量からズレやすい
- 流量が大きくなるとコストが上がる:大流量になるほど遠心ポンプよりコスト面で不利になりやすい
3. 駆動方式による3つのタイプ
膜を動かす動力源によって主に3種類に分かれます。
① エア駆動式(AODD)
圧縮空気で膜を動かすタイプ。電気を使わないため防爆エリアに強く、構造がシンプルでメンテナンスもしやすいのが特長。化学プラントや工場で最も普及しています。
② 電動式(モーター駆動)
モーターとクランク機構(回転運動を膜の往復運動に変換する機構)、またはソレノイドで膜を動かすタイプ。1回転あたりの吐出量が一定なため、回転数を制御するだけで精密・再現性高く流量調整でき、薬液の定量注入などの計量用途に向いています。
③ 油圧駆動式
油圧で膜を押すタイプ。導入コストは高めですが、大流量・高揚程を安定して出せ、大規模プラントや高圧洗浄などで使われます。
迷ったら:「防爆エリアか」「精密な流量制御が必要か」「エア設備が既にあるか」の3点を確認すると検討の軸が見えてきます。
4. 選定で確認すべき7つのポイント
以下の順番で条件を整理すると、型番選びで迷わなくなります。
送液する液体の性質
薬液の種類・pH・粘度・固形物の有無・温度を確認します。
必要な流量・揚程(圧力)
必要な流量と、送る高さ・距離を整理します。
⚠️ 流量だけで選ぶと圧力不足になりがちです。精密計量や下流に精密機器がある場合は脈動対策も検討しましょう。
接液部の材質
液体に触れる部分(ダイヤフラム・弁・ボディ)の材質です。
- PTFE:耐薬品性が高く、強酸・強アルカリにも対応
- ゴム(NBR、EPDMなど):安価で一般用途向け
- 金属(ステンレスなど):耐圧・耐摩耗性が必要な場合
⚠️ カタログ上「対応」でも、濃度や温度で劣化が早まることがあります。メーカーに個別確認しましょう。
駆動方式(エア/電動/油圧)
空気設備の有無、防爆要否、精密計量の要否で選びます。
設置環境
危険物エリアなら防爆規格への適合が必須。屋外/屋内、周囲温度も確認します。
口径・接続方式
配管との接続口径・フランジ規格が既存設備と合うか確認します。
メンテナンス性・部品供給
膜・弁は消耗品のため、交換のしやすさと部品の入手性が長期コストを左右します。
⚠️ 本体価格だけで比較すると、消耗品コストを見落としてランニングコストが想定外になることがあります。
5. 主な用途・導入事例
- 🧪 化学・薬品プラント:腐食性の高い薬液の定量送液
- 🍱 食品・飲料工場:衛生的な送液(食品グレードの膜・弁を使用)
- 🚧 排水処理・建設現場:排水の定量送液
- 🔬 半導体・電子部品工場:高純度薬液の精密定量送液
6. まとめ
ダイヤフラムポンプは、「膜の伸び縮みで液体を押し引きする」シンプルな原理でありながら、自吸性・空運転耐性・耐薬品性の高さから、化学薬液や排水など幅広い現場で採用されています。
弊社の【ダイヤフラム定量ポンプ】は、こうした特性を活かした設計で、以下のような特長を備えています。

省エネ設計
消費電力の少ない小型モーターを採用
簡単な流量調整
エキセントリックダイヤルにより直感的に調整可能
高精度・高耐久
高い吐出精度と優れた耐久性を実現
高い耐食性
接液部は耐食性を追求した設計
製品ページはこちら →薬液移送や粘度の高い液体の送液でお悩みの現場にも、幅広くご対応いたします。
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