技術情報
pH計をはじめとする排水処理フローにおける各種制御装置
pH計は排水中の酸やアルカリの程度を測る計器で排水の場合は中和処理をはじめ、重金属を処理するために、pH調整などで必要不可欠となります。また、食品、医療、水産業、農業など幅広い分野で測定や制御などに使用されています。
ORPは酸化や還元の程度を測る計器で、酸化や還元が必要な排水の処理には極めて重要な役割をしており、主にめっき排水のシアンやクロムが含有する排水の前処理などで使用されています。最近では、塩素注入制御やチオ硫酸ナトリウムで還元など、排水以外の用途でも使用 されています。
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シアン処理
シアン含有排水処理フロー図

■ シアン含有排水
表面処理排水の工程で使用するめっき液に含有することが多く、一般的に水洗水に含まれ、非常に毒性が強いため、前処理にて毒性を分解した後、重金属処理を行います。一般的な処理方法でアルカリ塩素法といいます。
原水貯槽の役割 流入排水を一旦貯留するだけでなく、濃度を均一化する役割があります。
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1次反応槽の役割 アルカリを添加してpH値を10以上に保持し、次亜塩素酸ソーダを添加してORP値を350mVで行うことによりシアンが酸化分解されて遊離状態となる。
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2次反応槽の役割 酸を添加してpH値を8~9に下げ、次亜塩素酸ソーダを添加してORP値を650mVで処理を行うことによりCO2とN2の処理を促進させる。
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pH調整槽の役割 排水に含まれる金属イオンを除去にするために水酸化物となるpH値に調整して凝集沈殿工程に流します。
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クロム処理
クロム系排水処理フロー図

■ クロム含有排水
表面処理排水の工程で使用するめっき液に含有することが多く、一般的に水洗水に含まれ、非常に毒性が強く、前処理にて還元処理した後、重金属処理を行います。一般的な処理方法でクロム還元処理法といいます。
原水貯槽の役割 流入排水を一旦貯留するだけでなく、濃度を均一化する役割があります。
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還元槽の役割 6価クロムは水酸化物を作りにくく毒性が高いため、毒性が低く水酸化物を作りやすい3価のクロムに還元する必要があります。硫酸を添加してpH値を2~3に調整し、重亜硫酸ソーダを添加してORP値を250~300mVにして還元処理を行います。
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pH調整槽の役割 排水に含まれる金属イオンを除去にするために水酸化物となるpH値に調整して凝集沈殿工程に流します。
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酸・アルカリ系処理
酸、アルカリ系排水処理フロー図

■ 重金属含有排水
表面処理排水の工程で酸洗いやアルカリ脱脂液など、一般的に水洗工程で重金属などが含まれています。一般的な処理方法で前処理やpH調整を行って処理します。
原水貯槽の役割 流入排水を一旦貯留するだけでなく、濃度を均一化する役割があります。
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反応槽の役割 極端に濃度が薄い場合や処理が困難なキレート化している場合などは、前処理として反応させる処理工程となります。
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pH調整槽の役割 排水に含まれる金属イオンを除去にするために水酸化物となるpH値に調整して凝集沈殿工程に流します。
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最終中和処理
最終中和排水処理フロー図

■ 上澄ろ過排水
有害物質や重金属などを除去した後の放流前の排水のpH値を環境基準に調整する工程になります。
最終中和槽の役割 重金属処理でアルカリ側に調整したpH値を環境基準の5.8~8.6以内に調整する処理工程になります。
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放流監視槽の役割 放流前のpH値を記録監視するための槽でpHの設定値を基準外となった場合などはpH異常として排水を停止して排水事故を未然に防ぐ役割をしています。
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凝集沈殿・ろ過
凝集沈殿・ろ過フロー図

凝集水中継槽の役割 各排水系統より流入する排水を一旦貯留し、凝集槽に送るための貯槽となります。
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凝集槽の役割 凝集剤を加えて凝集反応させ、金属水酸化物を作るための反応槽で重要な工程となります。
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沈殿槽の役割 凝集反応させた金属水酸化物を沈降分離させる槽で、水と金属を含んだ汚泥とを完全に分離させます。
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上澄水中継槽の役割 沈降分離した上澄水だけを一旦受けて、貯留する槽となります。
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砂ろ過塔の役割 沈殿槽で完全に除去出来ずに浮いてしまったSS分をろ過して除去するための装置となります。
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